福島第1原発の事故収束に向けた工程表表示

さまざまな意見が飛び交う投資情報は、それらの
中からどれをどのように自分が受け止め租借して
いくかにかかってくるところが大きい。
この人の意見なら・・・という人を見つけたい。

米国株、上昇　
失望的な企業決算と良好な経済指標が拮抗　
日本株は原発事故処理目処に一定の評価で
小じっかりの展開か

先週末の米国市場は上昇しました。
失望的な企業決算と良好な経済指標が相殺する
格好で買いが優勢となりました。ダウ平均は、
朝方は小安い場面もありましたが徐々に水準を
切り上げ一時は80ドル以上高くなる場面もあり
ました。週末を控えた手仕舞い売りもあって
終値は56ドル高と小幅高で引けました。

上述のグーグルやこの日の寄り前に発表された
バンク・オブ・アメリカの決算が失望的な内容と
なりましたが、ニューヨーク地区連銀製造業景況
指数や鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感指数
などの経済指標が市場予想を上回る好調さを示した
ことが好感されました。

金相場が史上最高値を更新、原油も3日続伸となるなど
商品市況が高く、エネルギー株が上昇しました。
一方、グーグルやバンク・オブ・アメリカの決算が
響きハイテクや金融セクターのパフォーマンスは
振るいませんでした。業種別の上昇率上位には公益や
ヘルケアなどディフェンシブ的なセクターが並んで
います。経済指標の改善が相場上昇の材料だったことは
間違いないと思われますが、「景気に楽観的な材料→
ディフェンシブ・セクターの上昇」とちぐはぐな印象が
あります。

本日の日本株市場は今週から始まる3月期決算発表を
控えて様子見気分の強い相場が続きそうです。
但し、福島第1原発の事故収束に向けた工程表が示され
たことは一定の評価がされると思われ、堅調な展開を
見込んでいます。狭いレンジでの膠着相場が続いており、
日経平均は4月SQ値と5日移動平均の水準である9,610～
9,630円程度を意識した動きとなるのではないかと思い
ます。個別には東京電力が保有する株式売却を検討と
報道されたKDDIの動向が注目されます。

（4月18日：マネックス証券　チーフ・ストラテジスト 広木 隆）