シティ 日興ＴＯＢが成立

９２００億円で保有６１％　完全子会社化も

　米金融大手シティグループは２７日、国内３大証券の一角である日興コーディアルグループに対する株式公開買い付け（ＴＯＢ）が成立したと発表した。発行済み株式の５６・１５％の応募があり、現在の保有分（４・９３％）と合わせて６１・０８％となって目標となる過半数を超えた。日興はシティの子会社となる。

　日興の東京証券取引所への上場が直ちに廃止されることはないが、シティは２７日、「日興を完全子会社とすることも検討中」と発表している。今回応募しなかった株主に対しても買い付け交渉を続け、年内にも１００％子会社にする可能性があり、この場合は上場廃止となる。

　法人、個人部門を備える日本の大手総合証券がそっくり外資系金融機関の傘下に入るのは初めて。シティは日興の店舗網を活用して、日本での金融商品・サービスの販売を強化する。日興はシティの信用力をテコに、不正会計問題で失った信用回復を図る。今後は国内大手金融グループ、証券大手をまじえた競争激化が必至だ。

　シティは３月１５日から４月２６日まで３０営業日の期間を設定してＴＯＢを実施した。応募株式数は約５億４１１９万株、買い付け金額は９２００億３５００万円で、外資企業による日本企業の買収案件では１９９９年の米ＧＥキャピタルによる大手ノンバンクの日本リースのリース事業の買収（約８７００億円、レコフ調べ）を上回り、過去最大となる。

　今回のＴＯＢに対しては、日興株を保有する国内の金融機関や企業の大勢は応じる意向を示していた。日興株の約６割を保有する海外勢からも応募があった。

（2007年4月27日  読売新聞）

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